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淀川でベイトがつきやすい河岸の地形が明らかに

淀川でベイトがつきやすい河岸の地形が明らかに

前回は北浦のヨシ原に棲むベイトフィッシュについて解説した。

今回もベイトシリーズ第2弾、淀川に棲むベイトフィッシュについてだ。

バスフィッシングの聖地琵琶湖から流れ出し、大都会大阪を縦断する淀川には、ビッグバスが潜むポイントが散在する。

そこに棲むベイトフィッシュを河岸の種類毎に分類して整理したのが大阪府淡水魚試験場の平松による本文献である。

では紐解いていこう。

調査方法

本文献は大阪府内を流れる淀川流域において、河岸の種類別に魚類の生息数を調査したものである。

調査は8月上旬、中旬の2回行われ、河岸の種類毎に複数のサンプリング地点から、魚類の生息数の他、水温、流速等について調査が行われた。

河岸の種類は下記および図1に示す5種類であり、そこにおいて採集できた魚類の種類、匹数を場所毎、時刻毎に整理している。

A.開けた泥岸
B.樹木の生え込み
C.アシ、ヨシ原
D.岩場
E.コンクリート護岸

河岸タイプごとのベイトフィッシュ

それではさっそく結果を見て行こう。さきほど紹介した河岸の景観ごとに、そもそもそれぞれの場所でどれくらい魚が採集されたのかを示す生息密度、そして観察された稚魚の種類とその大きさを記している。

タイプA. 泥岸

魚類の生息密度・・・51.9尾/m^2(8月上旬)、9.2尾/m^2(8月中旬)

平均体長・・・6.9mm(8月上旬)、7.1mm(8月中旬)

出現魚種・・・オイカワ、ハス、タナゴ、メダカ、ヨシノボリ

バスフィッシングにとって開けた泥岸は、いわば最も敬遠されるタイプの岸である。

いわく、バスはハードボトムを好むだの、何らかのストラクチャーが必要だの・・・。

にも関わらず、少なくとも8月の上旬において、稚魚の生息密度はアシやヨシの茂る河岸、ごつごつした岩原をおさえて、この泥岸タイプが第2位であった

これはおそらく稚魚にとっての補食対象であるプランクトンや小さな水生動物が、多く泥岸に生息していることによるものであろう。

バスが積極的にフィーディングに出ているような季節、時間帯には、泥岸は真っ先にチェックを入れるべきポイントになりうるのである。

ただし、生息密度に上旬と中旬で大きな差が出ている。この原因はなんだろうか?考えてみてほしい。

タイプB. 樹木の生え込み

魚類の生息密度・・・212.9尾/m^2(8月上旬)、91.3尾/m^2(8月中旬)

平均体長・・・6.6mm(8月上旬)、7.0mm(8月中旬)

出現魚種・・・オイカワ、ハス、タナゴ、ヨシノボリ

生息密度が1平方メートルあたり200尾以上と、圧倒的に安定して多くの魚が生息していた。平松はその原因として、樹木が小魚の生息に適した遅い流速域を生み出すこと水中の枝が格好の隠れ家になっていること等を挙げているこれについては我々バサーも過去の経験から十分納得がいく。実際、樹木が水没した、あるいは樹木のたれ込んだ場所はバスにとって一級のポイントになっている。

タイプC. アシ(ヨシ)原

魚類の生息密度・・・42.0尾/m^2(8月上旬)、19.5尾/m^2(8月中旬)

平均体長・・・7.7mm(8月上旬)、7.3mm(8月中旬)

出現魚種・・・オイカワ、ハス、メダカ

ここでは、前回紹介した北浦での調査とは異なり、ハゼ類があまり観測されていないのが興味深い。

タイプD. 岩場

魚類の生息密度・・・35.3尾/m^2(8月上旬)、13.0尾/m^2(8月中旬)

平均体長・・・6.6mm(8月上旬)、7.0mm(8月中旬)

出現魚種・・・オイカワ、ハス、タナゴ、メダカ

岩場というと格好のストラクチャーのように思えるが、ずば抜けて生息密度が高いというわけではないようだ。

タイプE. コンクリート護岸

魚類の生息密度・・・9.7尾/m^2(8月上旬)、10.4尾/m^2(8月中旬)

平均体長・・・6.5mm(8月上旬)、6.6mm(8月中旬)

出現魚種・・・オイカワ、ハス、タナゴ

コンクリート護岸はその材質のためか、調査地点の中でもっとも深さのある場所であったにも関わらず水温が最大であった点が特徴であった。

さらに、コンクリート護岸付近で見られる小魚群は、非常に移動性が大きいことが確認された。

全体を通して見てみると…

この研究で対象となっている稚魚は、大きさからいって、直接バスのベイトになるかについては、意見の分かれる点であろう。が、稚魚と成魚の生息エリアが一致しているとすれば、バスフィッシングに大きなヒントを与えてくれる。

また平松は、これら小魚の時刻毎の分布についても触れている。それによると、日中は岸から1m以内の何物かの陰に多く分布し、日没後はワンドの奥などの水の淀み、あるいは逆に沖の水深の深い底部に移動する。

各河岸の種類毎の魚種については、オイカワ、ハス、タナゴ等が各河岸に平均的に生息しているのに対し、ヨシノボリは泥岸または樹木のある岸に限定されていた。

さらに、水温についても測定がなされており、コンクリート護岸がもっとも高く、樹木のある岸、岩場が最低となっている。これは各河岸での水深、流速にも関係するが、コンクリート護岸は調査ポイント中、最深であるにも関わらず、水温は高い点が注目される。

夏の淀川をどう釣るか?

以上、バスにとってのベイトとなる小魚の生息場所から、ポイントを考えてきた。もう一度まとめてみよう。

 

1. 樹木の立ち込みは第1級ポイントである。しかも岸から1m以内のブッシュの奥にルアーを送り込むことが重要。

2. バスがフィーディングに出ている時間には、泥岸も貴重なポイントになりうる。ベイトフィッシュも捕食していることをイメージしてルアー操作する。

3. コンクリート護岸、岩盤には居着きのベイトフィッシュはいない。逆に回遊性のベイトを意識してゲームプランを立てるなら、これらのポイントはキーになりうる。

4. マッチ・ザ・ベイトは岸の種類により使い分ける。ハゼ類はアシ原や岩盤にはいない。泥岸やブッシュでハゼを意識するなら、例えばパドルテールのショートスプリットなんか良さそうだ。シャッド系はオールマイティに使える。 ピンテールやストレートワームをシャープに操作しよう。

5. コンクリート護岸の水温は上がりやすく、樹木のある岸、岩場は上がりにくい。水温を考慮したポイント選択の参考となる。

 

あなたのホームグラウンドの川や湖ではどうだろうか。真夏の調査、淀川という大河川、非常に高いプレッシャーという事を考えると、本文献は必ずしも年間を通した普遍的な特徴を表しているとは言えないかもしれない

ならば秋ならどうだろう、霞が浦だったらどうなるだろうと考えてほしい。本文献はその考えの基本となってくれる文献であろう。

参考文献

1993 平松「大阪府淡水魚試験場業務報告」

書いた人

芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。理系大学を出て、某メーカーでの30数年のキャリアの間に出願した特許はざっと100件。理屈ばかりにやたらうるさい技術者がバス釣りにはまった。自然の中に身を置く快感、極上の思考ゲーム、テクニックとツールの融合、緊張感とリラックスの混在・・・。こんな遊びは他にない。釣りの中でも特別だ。そしてたどり着いたのがSmart Fishingという楽しみ方。あなたにもぜひそのおもしろさを感じてほしい。

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