バスのベイトはボトムに住んでいた:山梨県・西湖と精進湖における研究結果

バスのベイトはボトムに住んでいた:山梨県・西湖と精進湖における研究結果

魚がいるタナは、彼らが普段どんなエサを食っているのか?ということで決まる可能性が高い。
もし、いるはずの魚が釣れず、「おかしいな…」と思った時は、一度、狙う魚の生態に想いを馳せてみよう。

 

ニジマスとイワナを使った実験の場合

(参考記事:魚のスレを科学する6 狙っているのに釣れない不思議)

イワナとニジマス、わずかにブラウントラウトが住む渓流で行われた実験を紹介しよう。

この実験では、棲んでいる魚の構成はほとんど変わらない渓流の2か所で、それぞれフライフィッシングとエサ釣りをした。

その結果は、棲んでいる魚はほとんど変わらないのに、釣り方によって大きく釣果に差が出たというものだ。

つまり、表層を攻めるフライフィッシングでは、ニジマスがより釣れやすく、底の方を流すエサ釣りではイワナがより釣れやすかった。

これには、普段ニジマスが表層を泳ぎ、水に落ちた昆虫を食べているが、イワナはボトムを泳いでおり、水底に住む昆虫を食べている、ということが関係しているようだ。

ブラックバスでは、ポイントによって攻めるべきタナが異なる

それでは、多くの釣り人が狙っているであろうブラックバスでは、攻めるべきタナはどこなのだろうか?

これまでの研究から、バスはイワナやニジマスと異なり、環境ごとに利用しやすいエサを柔軟に捕食していることがわかっている。

しかし、日本の湖沼では共通してハゼ類やエビ類が多く捕食されていることが指摘されている。例えば、山梨県西湖や精進湖で行われたこちらの調査が代表的だ(角田ほか; 2009)。

ハゼ類やエビ類は、数が多い、遊泳能力が低いなどの理由が考えられる。
参考文献に挙げられている論文にも、ハゼやエビが多く捕食されたという報告が多い。

そして、ハゼやエビが住んでいるのは、水底である。

ここから考えると、どうしても釣れない時に攻めるべきタナは、ボトムなのかもしれない。

最後のまとめ

もちろん、トップウォーターでバイトがあることも多いし、ボトムを延々と攻めても釣れないことだってある。実は、先ほど紹介した論文でも、研究者が「西湖においては、(調査結果には出なかったが)大型の個体によるオイカワの捕食を度々目撃し」たとあり、デカバスを狙うなら中層を攻めるのもありかもしれない。

しかし、最も重要なのは、すぐ近くにあるポイント同士でも、捕食しやすさによって、ベイトになっている魚の種類、そしてタナが異なるということだ。

バスの生態の科学的な研究は数十年間行われてきているものの、未解明な点がとても多い。実は私たちバサーの方が、科学者たちよりもバスの生態に詳しいのかもしれない。

 書いた人

釣り好きな理系大学生です。北海道に住んでいる関係でなかなかバスは釣れませんが、ロックフィッシングを楽しんでいます。

地元は野池の聖地、兵庫県三田市。釣りをはじめて、帰省が楽しみになりました笑

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