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真冬の琵琶湖のバスを賢く攻略するために、バスの行動パターンを知ろう。

冬も #気合いで釣り
なあなたにおすすめ

冬のバスは動かない」「冬は水温が安定した深場にいる」「いやいや水温が上がりやすい浅場にいる」…。

冬は釣れづらいだけに、バスに関する様々な「説」が飛び交っているが、そんな「説」を一刀両断する科学的な事実が明らかになった。なんと、バスに発信機を取り付けて追跡したのだという。今回はそこから生まれる冬の琵琶湖の具体的な戦略を紹介しよう。

調査の概要

近畿大学のMitsunagaらはオオクチバスの時空間的位置をバイオテレメトリーによりモニタリングし、定置網に対する行動を明らかにした。サンプルのオオクチバスは4尾で、体長は34cmから37cm。このバスの腹腔内に発信器を埋め込んで再放流し、放流後のバスの行動を追跡した。図1に示した琵琶湖南部の下坂本沖の定置網に3台の受信機を設置した。受信機は図1に楕円形で示した受信範囲内にいる発信器のコードを解読し、時刻と個体番号を記憶する。受信範囲は半径約250m。図1に示された楕円の最も岸寄りがReceiver-1、沖寄りがReceiver-3となる。同時に流速と水温も記録した。サンプル魚4尾は2002年12月3日に図1中央部のReceiver-2付近で放流された。

図1

追跡装置を使って、真冬の琵琶湖に生息するバスの行動を追ったのだ。早速、結果をみてみよう。

この3つのReceiveに各サンプル魚からの信号がどう受信されたかを解析することにより、その魚の大まかな行動が推察できる。

例えばある発信器の信号が全ての受信機で認められれば、全ての受信機の受信範囲すなわちReceiver-2の中心部付近にサンプル魚がいた事を示している。発信器の信号がReceiver-2から岸よりにあるReceiver-1に移動した後、信号が途切れていれば、サンプル魚は岸方向に移動した事が分かる。
全てのReceiverから通信記録がなくなったら、サンプル魚は受信機エリアから遠ざかった事が分かる。

 このように見ていく事で、サンプル魚の行動を読み取る事ができる。まず注目されたのは、定置網周辺に居着いていたバスと回遊するバスがいたことがわかったことだ。定置網周辺に放流したのは4尾だが、そのうち1尾は岸方向に遠ざかり戻ってこず、1尾は沖方向に遠ざかり戻ってこなかった。残りの2尾は定置網付近を回遊しており、そこには一定のパターンが見られた。

これを踏まえつつ、他の記録も見ながら冬の釣りの戦略を立てていこう。


冬の戦略その1. 日中はシャローを狙え!

 あるバスの動きに注目してみると、昼間に定置網から遠ざかり通信が途絶えた後、夜間に再び定置網に接近する事を繰り返していた。夜を定置網付近で過ごしたバスは、朝に岸に近付いていき、夕方に岸方向から再び定置網に戻ってくる傾向があると考えられる。
日中のバスは温かい水とベイトを求めて岸寄りの浅場に移動している。風裏のシャロー、ドック、芦際などの冬の定番スポットには狙うべき理由があったのだ。

冬の戦略その2. 強風時は岸際にたまる

 記録全体を見てみると、受信回数が激減したことが4回あった(12月10日,1月4日,9日,27日)。この直前には北東の風が強く吹き、南西の流れが強くなり、水温が低下していた。
この時の受信パターンはバスは岸方向に移動し受信圏外に去ったことを示すと考えられる。北東の季節風が強く水温が急激に下がった時、バスは岸方向に回避しているようだ。スポットとしては1.と同じだろう。むしろ水温が下がればこのスポットの密度は上がると考えられる。

冬の戦略その3. 居着きのバスは4mの深場でワカサギを追う

エリ周辺に居着いていたバスの動きに注目すると、Receiver-2(中央の受信機)を中心に動いている。
これはバスが岸とほぼ平行に移動している事を示唆している。Receiver-2の辺りの水深は約4m。このバスは4mラインをトレースするように移動していると考えられる。
この時のバスの狙いは回遊するワカサギの群れであろう。その時のベイトの動きを掴み、その水深ラインをトレースしてくるバスを狙い撃つ。

いかがだっだろうか?今回は、論文をもとに直接琵琶湖のバスの動きを見てきた。真冬の実験であったが、水温10℃以下の中でもバスは活発に移動していた。酷寒の中でもバスを追い求める!という猛者はぜひ参考にしていただき、貴重な1本を手にしてほしい。

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