【利根川バス】1時間に5本をあげた、ころた流スマートフィッシングとは?

【利根川バス】1時間に5本をあげた、ころた流スマートフィッシングとは?

今回は、少し戦略的な釣りのスタイルをご紹介しようと思う。

「スマートフィッシング」なんてかっこいい名前を名乗っているが、いつもの釣りに、ちょっと調べ物を加えるだけだ。この調べ物と、少しばかりの戦略のおかげで、2月の利根川にて、ハードルアーで1時間で5本というとても満足のいく結果が出せたので、そこに到るまでのアプローチを順を追って説明していく。

スマートフィッシングの力で皆さんの釣りがより楽しくなれば幸いだ。

「天気」「気温」「水温」「水位」を事前にチェック

目指すは横利根、与田浦。利根川下流域を走る水路で、関東のバス釣りのメッカの1つだ。

まずは気象情報をチェック。週間予報では2/17からの一週間は比較的温かくなりそうだ。2/19と2/23に小雨が見込まれる他は概ね晴れる。気温予想では2/20が最高15℃と最も暖かく、その後も最高12~14℃で推移する。

画像は後から用意した結果だが、HPでは予想も見ることができる。

水温チェックも重要だ。「霞ヶ浦水系水温」によると2/15まで北浦安塚で5.7℃付近で推移していた水温が、2/16に6.9℃、2/19には7.9℃に上昇している。

利根川下流域では水門の動きにも注目しなければならない。これは霞ヶ浦河川事務所のHPで調べる。常陸川水門は少雨の今は昨年11月以降、開放したままだ。

常陸利根川や霞ヶ浦の水位は最低線に近いレベルで微動している。細かい水位はFishing Labo.netでチェックだ。

これだけの材料があれば、狙い目の日、そしてエリアが推定できる。

気温水温から考えた最適釣行日は2月22日。最高気温は20日だろうが、水温はその後の好天によりさらに上昇が見込め、しかも23日に向けて気圧が下がる。
雨はないため、水位は今の状態から安定して低く、流れはないだろう。そして田んぼや蓮田への水の出入りもまだないこの時期、水質は比較的クリアなはずだ。
8℃前後の水温ではバスはまだ越冬場所からそう離れてはいないはずだ。スポーニングは水温が15℃を超えた頃から始まるから、それを意識するには早すぎる。
午後からの気温上昇、日照を受けシャローの水温は上昇するだろう。その時バスはどう動くか、そこが勝負どころになる。

以上のことから私の立てた戦略は以下のようなものだった。

・午前中は越冬場所の近くのブレイクラインやストラクチャーを攻める。私が選んだのは横利根川大曲。ここには流心のディープにオダが沈み、岸寄りもいい感じのブレイクがある。そこが狙いと読んだ。

日の高くなる午後には日射と南風を受けるシャロー北側のワンドやインレットだ。具体的なポイント選択は当日、風と気温の様子をみて決める。状況次第。

こんな感じで情報を整理し地図を眺めて戦略を打ち立てていく。それだけで十分面白い。この楽しさは、詰将棋のそれに近い。

そして答え合わせは2月22日! その様子をご紹介しよう。

実釣編:午前の部 朝まずめを狙え!

当日はプラン通り横利根川大曲に向かった。この場所の川幅は20~30m、流心の水深は5mほど。釣り場についたら、まずは気温と水温を測定するのがスマートフィッシング流。この日、朝の気温は4℃、水温は7℃だった

流心から岸に寄ったブレイクに引っかかるオダを、スピナベとキャロライナに組んだストレートワームで探った。反応がない。いや生命感が感じられない。

水の中はまだ冬なのか?もっとディープを狙うべきか?
いや逆に春に向かっていて、より暖かなエリアで春を先取りする釣りをすべきなのか?
しかし、ここは越冬には最適で、確かにバスはそこにいるはずだ…。

そんなことを考えながら、移動しつつ投げつつ、はや数時間。

結局、越冬中のバスはルアーに食いつくことはなく、午前の出撃は終了に。ここは一度、冷静に戦略を立て直さなければ…。

実釣編:午後の部 プラン変更は功を奏すか?

昼休みは絶好の環境分析チャンスだ。ここが全体の明暗を分けると言っても過言では無い。

思い返せば、午前中は曇天・無風・無流。それが12時に近くなって日が高くなると同時に、気温は14℃に近づき更に南~西から適度な風が吹き始めた。

日射と気温上昇、暖かい風を受ければ、水面の状態は一挙に変わってくる。

エリアのうち限られた一部ではあるものの、バスに適した環境が出来上がるはず。

そのタイミングを見逃すわけにはいかない。

この風と太陽を味方に付けるのならば、広大なワンドの北~東岸だ。いくつかある与田浦のワンドの東北のコーナー部に向かった。

そして、南風が吹き、日が差した3時ころ。

まずロッドを揺らしたのは45㎝の元気なバス。やはりこの戦略は間違いじゃなかった!

練りに練った戦略が決まると喜びもひとしおだ。

…..と喜びを噛みしめる間も無く、なんと立て続けに4匹がヒット。どれも良型だ。

気づけばまだ4時。たった1時間の間に、なんと5匹ものバスを掛けることができた。

2月の利根川、それもハードプラグを使って、1時間に5匹ものバスに巡り会えた!
戦略を立てて、こうした結果が返ってくることこそが、釣りの醍醐味だと私は思う。

分析でさらなる上達をめざす

しかし、今回の戦略もまだまだ伸び代があるはず。

なぜこの時、あそこで爆釣したのか?
それを分析し次の釣行に繋げれば、釣り人としてさらに上達できるはずだ。

まず与田浦を選択した理由を再確認しよう。広大なワンドのシャローは真冬にバスが潜むのには向いていないだろう。しかし、水深のある与田浦本流筋からそのエリアまでは100~300m。条件が良ければ十分にバスは移動してくると推理した。

  1.  第一に水温。当日の与田浦ワンドの表層温度は10℃を超えていた。本流筋の流心は7℃前後。この差は大きい。バスはきっと、温かな水を求めて移動してくる。
  2. クリアな水。与田浦の奥は田畑からの流出水のため濁っている場合が多い。しかしこの冬の少雨のため水の流入はなく、当日の水はこのエリアにしては非常にきれいだった。
  3. 流れがない。常陸利根水門の水位調整により水門の開閉が繰り返されていると、常陸利根川には流れの強弱が発生する。しかしこの冬は解放のままであり水位は最低レベルに留まり流れはなかった。与田浦にも流れはなく、ワンド奥部の高温水はそこに留まり、本流筋との間でいわば横のサーモクラインができていたはずだ。
  4.  暖かな南風。シャローに吹く風は水温を上げ、さざ波をひき起こしていた。

そしてそれらが午後の気象変化により沸き立つように強くなってきたと推測される。まさに千載一遇のチャンスだったのだ。

そしてこのタイミング、バスの活性は一気に上がったと推察するのなら、早い横の釣りを選択して正解だった。私の選択はラパラのミノーだったが、とにかく速さが重要だったはずだ。機会が増せば増すほど釣果に繋がりやすいタイミングだったはずだからだ。スローな釣りは確実だが、このタイミングで選択するのは機会損失を生む。

単に環境条件を推察するだけでなく、釣果に結びつけるキャスト戦略も重要だ。

このようにデータに基づいた環境条件とルアーの効果の両方向から最大の釣果を考えるがスマートフィッシング。

…なんて言っているが、私もまだまだ道半ばだ。

同じアプローチでバス釣りの戦略を立てている方がいたら、ぜひ参考にさせてもらいたいので教えて欲しい!

 

書いた人

芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。理系大学を出て、某メーカーでの30数年のキャリアの間に出願した特許はざっと100件。理屈ばかりにやたらうるさい技術者がバス釣りにはまった。自然の中に身を置く快感、極上の思考ゲーム、テクニックとツールの融合、緊張感とリラックスの混在・・・。こんな遊びは他にない。釣りの中でも特別だ。そしてたどり着いたのがSmart Fishingという楽しみ方。あなたにもぜひそのおもしろさを感じてほしい。

釣り工学カテゴリの最新記事