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霞ヶ浦ってどんなとこ?基礎から知って釣りにつなげるための吉田幸二さん新連載!

編集部より
長らくお待たせしました。新シリーズが始動です。
テーマは、「霞ヶ浦の釣り」。そしてこれを教えてくれるのは、あの吉田幸二さんです。

関東のルアーアングラーにとって、霞ヶ浦水系は大きな選択肢のひとつでしょう。しかし、広大でつかみ所がなく、けっしてカンタンなエリアとは言えませんよね。

というわけで、編集部が、霞ヶ浦を知るために白羽の矢を立てたのが、吉田幸二さん。吉田さんは霞ヶ浦水系をベースにするトーナメント団体の発起人であり、霞ヶ浦のほとりに暮らす「カスミオヤジ」。そしてもちろん、日本で初めて「バスプロ宣言」をしたプロフェッショナルアングラーでもあります。

そんな吉田幸二さんの霞ヶ浦シリーズ、初回は基本中の基本、霞ヶ浦のアウトラインについて。

霞ヶ浦に移り住んでかれこれ28年が経過しました。思えば随分と長く住んでいます。人生の1/3以上をこの地で過ごしています。まぁ、これからも住みますのでどうぞ宜しく!

さて、今回からスマルア技研さんの依頼で、霞ヶ浦の魚釣りについての記事を書くこととなりました。28年間に渡る霞ヶ浦生活と48年間に及ぶ僕のバスフィッシング体験での知り得る限りの情報をお示しできれば……と思っております。

あっ、自己紹介が遅れましたね。吉田幸二です。バスフィッシング歴は前記したように48年です。で、釣り歴はと言いますと……小学生の頃からですから……長いです。笑。

現在、霞ヶ浦の畔の阿見町に居住しており、W.B.S.(ワールドバスソサエティー)と言うプロトーナメント団体の運営に携わっております。また、NPO水辺基盤協会という非営利団体による釣り場の清掃活動や釣り場づくりにも携わっております。両者はまるっきりの別組織ですが、何故か現在のまとめ役は僕と言うことです。

夕陽の霞ヶ浦と筑波山

そもそも霞ヶ浦って? その成り立ち(と少々のルール)

ところで、皆さんは霞ヶ浦ってご存知ですよね。茨城県にある我が国で二番目に広い湖です。霞ヶ関じゃありませんよ。霞ヶ浦です。「浦」と言う名が付くのですから海から陸域に湾曲して入り込み、波が静かな入り江のようなものを思い浮かべてください。

霞ヶ浦は西浦、北浦、北利根川、鰐川、外浪逆浦、常陸川の総称で、河川法上では利根川水系となり、常陸利根川と呼ばれています。この流域面積は茨城県の35%を占める淡水の広大な水域なのです。平均水深は4mと浅いものの、その広大さから貯水量は9億㎥にも及びます。日本最大の黒部ダムの総貯水量が2億㎥ですから、その4倍以上……想像できませんね。

霞ヶ浦の湖面積は220平方キロメートルで、内水面ではなく海区指定の海と同様の漁業制度です。つまり、基本的には海と同様で魚釣りをするには入漁料が必要ありません。しかし、流出入する各河川は内水面となりますので、魚釣りをする場合には入漁券が必要になります。また、保護水面や禁止区域での魚釣りは不可です。ルールとマナーを守って楽しい釣りをしてください。

ルールと言えば、霞ヶ浦の漁業調整ルールが根本です。次いで、JBやW.B.S.のルールに準じていただきます。さらに、レンタルボート店や各マリーナのルールとなります。

茨城県:霞ヶ浦北浦水産事務所:釣りのルールとマナー

また出来ますれば、NPO水辺基盤協会からリリースされた霞ヶ浦5月ルールもご理解ください。これは5月の間だけはバスの移動を極力自粛してもらうルールです。釣ったバスはその場で元の水に素早く戻す……この一点です。

5月だけは、バスが無事に産卵できて子孫を残せるように、これを前提にしたバスの産卵行動に配慮したルールです。つまり、5月に釣ったバスはライブウェルやイケスなどには入れず、素早くその場でリリースすると言うことなのです。ご理解いただけましたでしょうか。バスを守ることが出来るのは、僕たちバスアングラーだけですから!

まぁこれらのルールを守り、且つマナー(社会的道徳)を遵守して、霞ヶ浦の魚釣りを楽しんでください。ルールやマナーを守れない釣り人には、霞ヶ浦での釣りを楽しんでもらいたくはありませんね。

NPO水辺基盤協会「5月ルール」のシンボルマーク

元は海だった霞ヶ浦

さて、さて、霞ヶ浦の概要や釣りをする場合のルール、マナーをつらつらと書いてきましたが、その釣りの対象となる魚はどんなものがいるのでしょう?

世間的に言われているのは50とか60種です。でもね、釣り仲間に聞いて回ると80種ぐらいはいると思われます。特にハゼ類は15種が報告されています。

が、このページで紹介するのは概ねルアーで釣れる大型の魚や比較的簡単に釣れる淡水の小さな魚たちになります。でも、実釣に出かけて釣れちゃった場合は、ちゃんと紹介しますからね。

不思議なことに草食魚のソウギョが水面のルアーに食いついたとか、ハクレンがクランクベイトに襲い掛かったとか、モズクガニがワームで釣れたなど、実際の魚釣りでは予想もしないことが起こるんですね。そんな話も交えながら、霞ヶ浦のあれこれを紹介したいと思います。

そう、そう、霞ヶ浦は海跡湖なんですね。元々は海だったので、流れ海の名称までありました。だから、海の貝の貝殻(化石)を湖岸の砂浜で拾うことが出来ます。

貝殻と弥生式土器片

トウキョウホタテ、ウバガイ、タマキガイ、ツメタガイ、カガミガイ、ゴイサギガイ、アカガイ、イタヤガイ、ヒメエゾボラ、ヤツシロガイ、アカニシガイ、コロモガイ、エゾタマガイ等々、海に棲息していた貝の殻(化石)を湖岸で拾えるんですよ。

みんなで貝殻拾いをして、何の貝なのか同定するのも面白いですよね。中には縄文時代のものもあるかも知れません。そう、湖岸には古き良き時代のロマンが溢れているのです。巻貝の貝殻を耳に当てると……縄文時代の息吹が聴こえそうですね。

この様に霞ヶ浦の湖岸には、釣りをしながらでも歴史的考察の出来る場所が沢山あります。是非、魚釣りだけではなく自分の釣っている足下も見てくださいね。で、ゴミの多さに気づいたら、一つでも二つでも良いので持ち帰って処分してもらえると嬉しいです。貴方のそんな心掛けが日本を美しくしますよ。

霞ヶ浦湖岸のゴミ……

7月の霞ヶ浦水系のバス釣り

さて、7月の霞ヶ浦の釣りでは、トップウォーターゲームの楽しい時期です。挺水植物(ヨシやマコモ、ガマなど)の際でのフロッグゲーム、リップラップや浚渫エリアではノイジィーを使ったゲームが楽しめます。バスの産卵も一段落して、そろそろ産卵の疲れから回復したバスに遭遇できるでしょう。

もちろん、ワームを使った釣りも楽しめます。テキサスリグでヨシなどの挺水植物の中を探ったり、深場へと続くかけ上がり(英語では逆のドロップオフ)などでキャロライナリグを這わしても有効です。夏へ向かう途中ですが、日影(シェード)を作る条件を探って行くのが効果的です。いずれにしても何か変化がある場所……これが好結果を生む秘訣ですね。

障害物(ストラクチャーやカバー)を恐れない。障害物に引っ掛からない工夫をするなど、ルアーの釣りでは創意工夫が大切であることは言うまでもありません。そして、何度も言いますが、他人に迷惑を掛けない心掛け、これが重要です。自分のゴミを残さないとか、心に余裕があったら他人のゴミを拾うなど、広く深い心で霞ヶ浦での釣りを楽しんでください。

さてさて、第1回の記事はこのへんで。今後は霞ヶ浦のアレコレを少し突っ込んで書いてみたいと思いますので、ぜひお付き合いください。

<シリーズ記事>
第1回:霞ヶ浦ってどんなとこ?基礎から知って釣りにつなげるための吉田幸二さん新連載!
第2回:吉田幸二流 霞ヶ浦のバスフィッシングと、それを支える「考え方」
第3回:霞ヶ浦にはどんなベイトフィッシュがいるのか? バスアングラー的霞ヶ浦魚種考
第4回:霞ヶ浦の魚 アメリカナマズ・チャネルキャットフィッシュのこと

1951年生まれ。日本のバスフィッシングの創成期から活動するアングラー。数々のトーナメントで活躍したのち、霞ヶ浦のトーナメント団体W.B.S.を立ち上げる。霞ヶ浦を舞台にした「Basser All STAR CLASSIC」では、並み居る日本のスター選手を抑え優勝。霞ヶ浦を知り尽くしたアングラー。

NPO水辺基盤協会 理事長

ブログ:熱血! 幸運児

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