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吉田幸二流・僕のクランクベイト理論|霞ヶ浦マスターはクランクベイトをどう考えるか?

今回の吉田幸二さん記事は「クランクベイト」。

吉田幸二さんと言えばクランクベイト、というのは、ある程度バス釣りをしてきた人なら良く知った事実。また、多くの霞ヶ浦アングラーが、中心に据えるルアーだとも思います。まずはそのベーシックの部分について、カスミ対策が迷走中な編集部ヤマダの、素朴な質問に答えていただきました。

<これまでの連載はこちらから>
第1回:霞ヶ浦ってどんなとこ?基礎から知って釣りにつなげるための吉田幸二さん新連載!
第2回:吉田幸二流 霞ヶ浦のバスフィッシングと、それを支える「考え方」
第3回:霞ヶ浦にはどんなベイトフィッシュがいるのか? バスアングラー的霞ヶ浦魚種考
第4回:霞ヶ浦の魚 アメリカナマズ・チャネルキャットフィッシュのこと

 

なぜクランクベイトなのか?

 

Q1:多くのルアーがあるなか、なぜ「クランクベイト」なんでしょうか?

クランクベイトの釣りの面白さを単純に言い表すと、その動きにあると僕は思います。投げて捲いてを繰り返す単純な作業ではありますが、「釣りをしている!」……と、そんな気にさせるのではないでしょうか。

生来がせっかちなもんで、何かをしていないと嫌になる、飽きてしまう性格なんですね。何でも良いから手足を動かしている方が、持続力や集中力が維持できるので、投げて捲いてが性に合っているのだと思います。

生きている! てぇ感じですね。

どんな人間でも体内リズムを持っているんですよ。それが民謡だったり、R&Bだったり、サンバだったり、小唄だったり、デンデン太鼓だったりなどなど、リズムは人によって様々ですが生き物であれば、必ず体内リズムが存在していると、僕は考えています。

その体内リズムにあったルアーの操作法が、好きなルアー、嫌いなルアーを決めているのではないでしょうか? で、僕にはクランクベイトの投げて捲くと言う作業リズムが、絶妙に合っているてぇことなんでしょうねぇ。

ちなみに、僕のリズムはサンバですね。

お尻をフリフリのノリノリで踊るカーニバルですね。笑

 

Q2:どうやって、クランクベイトに行き着きましたか?

この世の中には幾千? いや幾万? いや、いや、それ以上の数のルアーが存在しています。が、その原型は百年以上経ってそれほど大きな変化はしていません。

確かに素材の違いやカラーバリエーションなどは、大きく変わっていますが、根本的なルアーに対する考え方はほとんど変わっていないのです。それは、ターゲットになる獲物が野生の生物、魚だからです。

その魚、バスを狙うために、様々な釣りを体験して来ました。そして、判ったことがあります。

ルアーの多くはここ百年ほど大きな様変わりはしていないと言う事実、その中でロストが少なく、バスに強烈にアッピールする動き、これらを生み出すルアーに心が惹かれたのです。

大昔に誕生した数あるルアーの中でも、僕が選ぶルアーはクランクベイトです。それは、リールのハンドルを捲いて動きを与えると潜行し、捲くのを止めると浮くと言うアクションの魅力に惹かれたからです。

その魅力とは、クランクベイトの持つ水面から最大潜行能力までの広い範囲を探れるルアーだからです。同時に、自分が探っている水深をしっかりと把握できるってことでしたね。

例えば、2m潜るクランクベイトが探れるのは、水面から水深2mまでの深さです。この層にバスがいれば彼等の鼻っ先にルアーを送り込むことが出来ます。

で、手慣れてくるとロッドを立てる位置によって、潜行能力が変化することを理解できるでしょう。さらに加えるとすると、ラインの太さを変えることで、潜行深度を変えることが可能であることも憶えられるでしょう。

この様にそのクランクベイトが持つ潜行能力で、自由自在に層を変えてバスを探し求めることが出来るのが、クランクベイトなのです。

それに、動きを止めると浮くと言う性質もクランクベイトを使う理由です。ルアーに違和感を察知したら、リトリーブを止めます。そうすると、クランクベイトは浮いてきて、違和感の元の水中の何かに引っ掛からずに回収できるからです。そう、ロストルアーの減少ですね。

 

クランクベイトというルアーについて

Q3:どんなクランクベイトが「釣れる」のですか?

クランクベイトの良し悪しって一概には言えませんが、僕が大前提にしているのは、高速リトリーブで真っ直ぐに泳ぐことです。

ボディー、リップ形状、内蔵ウエイトのバランス、フック、スプリットリング、ヒートンなどのバランスが良くないと、高速リトリーブ時には真っ直ぐに泳ぎません。

スローに引けば泳ぎますよ……と言うのは、どんなルアーにも出来る芸当ですからね。

 

Q4:クランクベイトのカラーはどう選んでますか?

僕は自分の好きな色を中心に選んでいます。

それは服の色や車の色なども同様です。なので、必然的に赤や白、青、緑、黄色と言った原色を選びます。魚や甲殻類に模したカラーはそれほど好きではありません。

よく、濁った時には派手な色、澄んでいるときは地味な色などと言われますが、これもそれほど当てにはなりません。何故なら霞ヶ浦のようなマッディーウォーターの水域でも、光が透過する水深は澄んだ水と同様のカラーが有効だからです。30㎝まで見える場所では、光はその倍の60㎝ほどまで、届いていると考えられます。

 

Q5:泳ぎ方・アクションは、どう考えたらいいですか?

泳ぎはリップの形状やボディー形状によって決定されています。長い、短い、ボディーとは別、ボディーと一体など種々様々です。リップの長短は、そのルアーの潜行深度を決定します。

ボディーとは別に付けられているリップは、概ねローリングやウォブリングが得意です。

逆に一体型でヘッドから滑らかに伸びるリップのものは、ローリングせずにウィグリングをします。これらの動きの差は、バスの好むストラクチャーによって使い分けます。

WooDreamが最近のメイン

オールドのビッグクランクたち

 

Q6:潜行深度は?

ルアーの潜行深度は、取り付けられているリップの形状や長短が、ルアーの潜行深度を変化させます。また、ラインタイアイの位置によっても潜行能力に差が生じます。

大切なことは、自分が使うタックルで、そのルアーにどんな能力があるかを知ることです。

14lbラインで20mキャストすると1.5m潜る。

16lbラインで20mキャストすると1.3m潜る。

……等々のルアーの持つ能力を知ることです。

で、それらのルアーで探れない水域にいるバスを釣る時に、リップを長いものに変えたり、短いものにしたりして、バスのいそうな層を余すことなく探るのです。

 

クランクベイトをどう使うのか?

Q7:例えば霞ヶ浦では、どう使っていますか?

クランクベイトの使い方はとても簡単明瞭です。投げて捲けばよいのですからね。

さらに加えるとすれば、スローステディー(一定の速度でゆっくり)、ストップ&ゴー(止めたり捲いたり)、ファストリトリーブ(早捲き)、と言った感じですね。

さらに前記したように、何かに当たったと感じたら、リトリーブを止めると良いでしょう。障害物だったら浮いて回避するでしょうし、魚だったらグィーンと持って行くでしょう。

慣れないうちは水底をリップで感じつつ、一定の速度でリトリーブするのが良いですね。

で、何かに当たったら止める……この繰り返しです。この方法、季節は問いません。

そして、最後にクランベイトの釣りで肝心要は、正確なキャスティングをすると言うことです。20mならキッチリ20m投げる。それが樹の下だろうと、石の隙間だろうと、或いは杭の間であっても、きちんと正確に投げることが出来れば、魚は自然に湧き出て来るはずです。

基本的に細いラインで飛距離を出すことが出来ると、ルアーの潜行能力は最大に及ぶでしょう。

しかし、クランクベイトはただ単に潜らせれば良い、と言うルアーではありません。その日、その時、その場所にいるバスの鼻っ面で、しっかりと泳がす必要があります。

同時にバスにとってそのルアーが、餌であったり、侵入者であったり、好奇心をそそる相手だったりなど、バスがルアーに興味を持ち、襲い掛かるように仕向けたり、仕掛けたりするのが大切なことなのです。

そのために、潜行能力を知ったり、泳ぐ姿勢を選んだり、好むであろう色をセレクトしたり、サイズを決めたりする必要があるのです。

 

Q8:実際に使っているルアーはどんな感じですか?

今、使っているクランクベイトの殆どがバルサ製のクランクベイトです。

その理由は、浮力が高いことにあります。Wood製のルアーの特徴は密度が高い(中空ではない)ため、中空のものに比べて水を押す力が強いのが特徴です。

同じ重量のボーリングの玉とピンポン玉を想像してみてください。

……あっ、ちょっと想像しにくいですね。笑 同重量のボーリングの玉と中空の鉄球ですかね。えっ、もっと判り難いですか。じゃ、津波と風波だったらどうでしょうか?

同時にWoodの持つ浮力が生み出すキビキビアクションが、水中で大きな波動を生じて周辺にいるバスにアッピールします。

一方、プラスチックルアーは、バラツキが少なく大量に作ることができるようになります。

また、中空であるがゆえに、音響効果のあるラトルの挿入も可能です。さらに、浮力の弱さを利用したノタノタとレイジーな動き、ルアーに無気力な泳ぎを演出することが出来ますそう、弱った水中生物のようにですね。

その一方で、高速リトリーブによる微振動発生バイブレーション効果も、中空ルアーならではの特技ですね。

今まで使ってきたルアーは、下に写真付きで並べておきます。

今も昔も、変わらずクランク

ダイワ・バスハンター、オールド品

鉄板リップ。ホッテントットと……??

メタルリップその2。ボーマーその他

スミス・ハスティのオールド。今もバリバリ現役のはず

オールドたち。レーベル、コーデル、ボーマー……

フレッドヤング・クランクスター

オールドヘドン。パンキンスピン

ラブルーザー・ルアーズ。マニアック

フックも重要です

編集部が勝手にまとめてみた

吉田幸二さんのクランクベイト理論:ベーシック編、その実釣上の方針は、下記のような感じですね。

・まずはシンプル。投げて、捲くこと。

・正確なキャストを磨く。

・なにかに当たったら止める。

まずは「捲きたおす」ことで、いろいろわかって、いろいろ未来につながっていく、と理解しました。迷子になりまくっている編集部ヤマダも、あらためて自分を信じて、捲き続けてみようと思います。

次回は、少し突っ込んだことをお聞きしてみます!

<シリーズ記事>
第1回:霞ヶ浦ってどんなとこ?基礎から知って釣りにつなげるための吉田幸二さん新連載!
第2回:吉田幸二流 霞ヶ浦のバスフィッシングと、それを支える「考え方」
第3回:霞ヶ浦にはどんなベイトフィッシュがいるのか? バスアングラー的霞ヶ浦魚種考
第4回:霞ヶ浦の魚 アメリカナマズ・チャネルキャットフィッシュのこと

1951年生まれ。日本のバスフィッシングの創成期から活動するアングラー。数々のトーナメントで活躍したのち、霞ヶ浦のトーナメント団体W.B.S.を立ち上げる。霞ヶ浦を舞台にした「Basser All STAR CLASSIC」では、並み居る日本のスター選手を抑え優勝。霞ヶ浦を知り尽くしたアングラー。

NPO水辺基盤協会 理事長

ブログ:熱血! 幸運児

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