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お安めベイトリールのベイトフィネス化と使い方・出しどころ|カケヅカさん連載第2回

編集部より

カケヅカさんの連載第2回をお届けします。今回のテーマは、みんな気になるベイトフィネス。

ハイエンド製品が優れているのはもちろんわかりますが、そこまでお金をかけなくても快適に釣りができるならば、言うことナシ。……ということで、カケヅカさんに、安価なクラスのベイトリールの使い方を聞きました。

第1回記事:レンタルボート&エレキスタイルで楽しむバス釣りに最適なリールセレクトとは?

はじめに

連載2回目になります。宜しくお願いします。

前回の話の流れで、レンタルボートで使いやすいリールをテーマに書かせていただきたいのですが、今回はお手頃な価格帯のリール、いわゆるローエンドリールを、ベイトフィネス的に使う方法とその出しどころについてです。

現行のベイトフィネス機と比べてリーズナブルなお値段で手に入るローエンド機でも、機種によってはベイトフィネス機として十分使えるので、もしかしたら今お手元にあるリールもベイトフィネス機になるかもしれませんね。

まずはベイトフィネス機として使えるリールの条件から説明させてもらいます。

32mm径スプールを選ぶ

レンタルボートでのバス釣りで使いやすいショートロッドには、リールはベイトフィネス機を合わせるとバランスが良いです。でもメーカーフラッグシップのベイトフィネスリールは中々に高額……。

自分が普段使っているベイトフィネス機達。リールパーツ製造の仕事で使う備品、というテイでハイエンドを使えますが、個人ではとても買えないです……(笑。

 

そこでローエンドリールをベイトフィネス機に近づけて使う方法をご紹介したいと思います。

まず大前提として、スプール径が32mmより下の機種を選択します。

例えばSHIMANOなら『SLX MGL』が市場価格的にも最適かと。というか、自分が普段からSHIMANOリールを愛用してるので、低価格ベイトフィネス機として使うのに、他のメーカーのリールでベースとなる機種が見当たらないというのが正直なところです(すみません。

SHIMANO-SLX MGL。32径スプール現行市販リールの中ではかなりコスパの良い機種。ギヤ比が豊富なのも大きなメリット。

 

しかし矛盾するようですが、SLXの他にも市場に低価格で質の良い32mm径スプール機はあります。それはこの後別に紹介しますね。

PEラインを少なく巻くだけでベイトフィネス機に

さて、その低価格32mmスプール径リールをベイトフィネス寄りに使う方法ですが、ラインを少なく巻く事でより軽いルアーを快適に投げられるようになります。具体的には、スプールの底から下糸無しで40mほど巻いてみると、わかりやすく体感できるのではないかと。

このタネは、ラインを少なく巻く事でスプール径をより小さく使う意味があります。簡易的に小径スプール化させる訳です。

そしてさらに、ベイトフィネスとしてよりスプールを軽くするために、ここではPEラインを使います。

PEラインなら1~1.5号で20~30ポンドほどあるので、ベイトフィネスで多用するフロロカーボンやナイロンの8~12ポンドより強度的には上という事になります。

SHIMANO SLX MGLにPEライン1号を40m巻いたもの。かなり糸が少ないのでサミングしにくいかも…。

SLX MGLのスプール単体で見てみる。本来の適正量の半分以下。

同じSLXのノーマルスプール同士を比べたところ。画像左はフロロカーボン12ポンドを8分目まで巻いている。手で持ってみればその重さの違いは歴然!

SLXのスプールに下糸無しでPEライン1号を40m巻いた状態で重さを測ってみる。約15gほど。

おなじくSLXのノーマルスプールにフロロカーボン12ポンドを巻いた状態の重量は20g以上。

軽いPEラインを少なく巻く事でスプールをより軽く、スプール径を小さくする狙いがある。

 

ただしフロロカーボンやナイロンと比べて、PEラインはちょっと特性が違うので、PEラインを上手に使うためには多少の慣れが必要ではありますが。

それでも、自分は普段からベイトフィネス機でPEラインを使ってますが、慣れてしまうとメリットの方が多いと感じてます。その部分もこの後解説しますね。

ここまでが市販のローエンドリールをベイトフィネス的に使う方法です。

ハイエンド・ベイトフィネス機と比べて

ところで、価格を気にしなければ高性能ベイトフィネスが市場にラインナップされてるわけですが、それを新品で買うのは本記事の趣旨からズレてしまいます。

でもベイトフィネス化させたローエンド機が、ハイエンド機と比べてどのぐらいの攻撃力があるのか気になりますよね。

それはもちろんハイエンド機の方がベイトフィネスに特化してますし、さらにPEラインを使う事で一昔前には考えられない程のキャスタビリティーになります。

ハイエンド機なら例えば0.9gネイルシンカーを入れた4.5インチワーム(OSPドライブクローラー4.5)が(無理やりではなく)超快適に投げられますからね。

ローエンドリールをベイトフィネスに寄せても、さすがにハイエンド機と同じ性能にはなりませんし、ラインを少なく巻くのでクラッチワークにも違和感が出てしまいます。

ローエンドリールをノーマル状態で、特別カスタムをしないで使えるのがメリットですが、それでも使用感という意味では多少の使い辛さがあるのはデメリットと言えるでしょう。

ではハイエンドリールを使わないで、フロロカーボンやナイロンを普通に巻いてベイトフィネス機として使う、ウルトラCの裏技をご紹介しましょう。

中古型落ちベイトフィネス機の再利用

ではハイエンドリールを使わないで、フロロカーボンやナイロンを普通に巻いてベイトフィネス機として使う、ウルトラCの裏技をご紹介しましょう。

ローエンド機をベイトフィネス化するという趣旨から外れてしまいますが、現在市場にあるハイエンド・ベイトフィネスに限りなく近づける裏技としては、型落ちのベイトフィネス機をカスタムするという手があります。

自分が知る限り、2012年以降に発売されたベイトフィネス機はやはり高性能なモノが多く、今使っても十分現役で通用する機種があります。

何種類か紹介しますと、まず自分も現役で使ってるSHIMANO12アルデバランBFS。これは本当に名機で、ちゃんとメンテさえしてやれば十分ベイトフィネス機として使えます。

それから意外に人気薄で、中古市場に弾数が多い15アルデバランも隠れた名機だと思います。

DaiwaならアルファスCTという、まだ型落ちと言えないぐらい新しい機種が中古市場だと2万円以下で売られてますね。こちらもかなりコストパフォーマンスの高い機種ではないでしょうか。

abuの16REVO LTX-BF8や16REVO ALC BF7-Lなども探せば2万円以下で取り引きされてるモノが見つかります。

これらのリールにPEラインを巻くだけで、現行のハイエンド・ベイトフィネス機にかなり近いパフォーマンスを引き出すんですよね。

もちろん現行のハイエンド・ベイトフィネス機にPEラインを負けばさらに高いキャスタビリティーを発揮させる事ができる訳ですが、それを言い出すともう収拾がつかなくなってしまうので(笑。

とにかく2012年以降に発売されたリールには型落ちでも名機が多いので、新品で現行ローエンド機を買うのと変わらない値段でベイトフィネス専用機を手にする事ができるという訳です。

中古という事で多少のリスクはありますが、馴染みのお店など実店舗で買えばそこまで酷いモノを掴まされる事はないでしょう。

ネットオークションなどではまれにひどい出品者がいるようなので注意が必要ですが、最低限ちゃんと動く機種なら、落札後にプロのメンテンス屋さんにお願いするなどして生き返えらせる事ができると思います。たぶん数千円で受けてくれるので、中古に限らずお願いしてみるのも手だと思いますよ。

リールカスタムという奥の手

だんだん趣旨から外れていって申し訳ないですが、ローエンドリールや中古ベイトフィネス機を一気に性能アップさせる簡単技として、カスタムパーツを入れてしまうという方法があります。

リールカスタムパーツを製造してる仕事柄、自分が所有しているリールはほとんどがフルカスタム状態でして、ノーマルに比べてかなりフィーリングが変わってます。

特にスプールを入れ替えるとリールの味付けが全然変わり、旧型リールでも、というより旧型リールの方がキャスタビリティーの違いを体感できますからね。

ただ、カスタムパーツは決して安いものではなく、下手したらリール本体の価格を上回ってしまうほど(笑。

それでも好きな人は自分のリールをとことんまでカスタムして使ってます。

今回読者の方におすすめするのは、スプールだけでも変えてみるとすごくフィーリングが変わるという事。

かなり古い機種でもカスタムスプールが対応してる場合がありますが、ここはやはり2012年以降にリリースされた機種に合わせるのが良いかと。

筆者のおすすめはズバリ『シマノ12アルデバランBFS』にAvail製マイクロキャストスプールのセットです。これですと中古価格とスプールを合わせても2万円前後で購入できると思います。

自分が使っているSHIMANO12アルデバランBFSフルカスタム。マグネットブレーキ化することで遠心ユニットが不要となり、さらにベイトフィネスに特化させている。

SHIMANO12アルデバランBFS対応のAvailマイクロキャストスプール。スプールの溝が浅いのが一目瞭然!これに軽いPEラインを巻く事でスプールの立ち上がりが格段に軽くなる。

 

その性能は市場にある一般的なノーマルベイトフィネス機、よりキャスタビリティーは上を行くのではないかと感じているぐらいです。

いきなりリールカスタムとなると敷居が高く感じる人もいると思うので、ステップアップとして、

■ 32mm径スプールのローエンドリールにPEラインを巻いてみる

■ 中古ベイトフィネス専用機にPEラインを巻いてみる

■ 中古で買った型落ちベイトフィネス機にカスタムスプールを入れてみる

という順番ですすめてもらえば良いかと思います。

軽いルアーを投げるだけじゃもったいない

ここまで説明させてもらったローエンドリールのベイトフィネス化ですが、実際のレンタルボートバスフィッシングでの出しどころについても。

リールをベイトフィネス化したからと言って、軽いルアーを投げるだけではもったいないと思います。いや、本記事の趣旨から外れまくってしまい申し訳ありません(笑。

でも本当に自分が普段感じている事で、レンタルボートのバス釣りにおいて、リールのベイトフィネス化は良い事しかないんです。

極小ワームのノーシンカーとか、ビッグベイトや重量のあるジグなどを除いて、スプールの立ち上がりが良いベイトフィネス機は使いどころが本当に多いんですよね。

例えば3.5gのジグにちょっとバルキーなワームをトレーラーとしてセットしたら、総重量が7~10g程になるのですが、そのジグが凄く快適にピッチングできるんです。

空気抵抗が大きめのバルサクランクなどをバンクにショートキャストでピュンピュン投げていくような場合でも、スプールの立ち上がりが軽いベイトフィネス機は重宝します。

極端に軽いか極端に重い場合を覗いて、かなり広い範囲でベイトフィネス化したリールが活きてくるんですよね。

キャスト精度が上がれば必然的に釣れる魚も増えます。

これはぜひ体感して頂きたいと思います。

さいごに

自分がリールをベイトフィネス化する簡単な理由は、『気を抜いたキャストでも狙ったスポットにドンズバで決まって欲しい』という自堕落な考え方です(笑。

ボートの釣りって朝から夕方まで10時間以上断続的にキャストを繰り返しますよね。

その時間内ずっと高い集中力で投げ続けるって出来ないと思ってます。というか普通は絶対無理です(笑。

なので集中してない時でもキャスト精度をなるべく落としたくないんですよ。

自分は今年51歳になるんですけど、動体視力も落ちてきたし老眼も進んできましたから、若い頃に比べてパフォーマンスは低くなるはず。

でも自分史上、今が一番キャスト精度に自信があります。

その理由はやはり道具の進歩ですね。スキルの低下を道具に補ってもらってる感じでしょうか。

近年高性能魚探やGPS機能付きエレキなど、道具の進化はとどまるところを知らないと言った感じですが、リールも例外ではありません。

しかし高級な道具を使うのは手段であり、目的ではないと思います。魚を釣るための手段として、キャスト精度を高める事が釣果につながるわけです。

現行ハイエンドリールを使わなくても、キャスト精度を上げて釣果をアップさせる手段として、リールのベイトフィネス化はおすすめです。

まずはお手持ちに小径スプールのリールがあれば、PEラインを底から40mだけ巻いて軽めのルアーをキャストしてみてください。

これだけでキャスト精度がアップすること間違い無しですよ。

<シリーズ記事>
第1回:レンタルボート&エレキスタイルで楽しむバス釣りに最適なリールセレクトとは?
第2回:お安めベイトリールのベイトフィネス化と使い方・出しどころ
第3回:バスフィッシングのベイトリールのハンドルは左右どちらが正義なのか?を改めて考える

東京足立区で主にルアーフィッシング用リールのカスタムパーツを製造してる50歳のオッサンです。関東のレンタルボートフィールドでバス釣りを楽しみながら、NBC房総チャプターを始め各ローカルトーナメントにも参戦しています。 バス釣りのモノ作りで人生を楽しく生きるブログ KAKEDZUKA DESIGN WORKS

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