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クランクベイト入門・実践編 ロッドは?おすすめのルアーは?吉田幸二さんに聞くクランクベイト・前編

さて、お待たせしました。前回の霞ヶ浦クランクベイト入門に続いて、今度は実践編をお送りします。

前回記事:「吉田幸二流・僕のクランクベイト理論|霞ヶ浦マスターはクランクベイトをどう考えるか?」

霞ヶ浦でクランクベイトを使う時の、大事な考え方はわかった。じゃあ、霞ヶ浦のほとりに立ったらどうするか? ルアーを投げている時に感じた「?」をどう考えるか? 吉田幸二さん連載の番外編として、編集部ヤマダが直接疑問をぶつけてみました。前編では、ロッドやリール、そしてベーシックなルアー選択について聞きました。

 

クランクベイトの釣りにいいロッド・リール・ライン

──まず、カタチから入ってみたいと思います(笑)。霞ヶ浦でクランクベイトを巻きたおそうと思った場合、どんなタックルから入るといいでしょうか?

僕の場合、ロッドは柔らかめのものです。パワー表示だとML、ミディアムライトぐらい。バットに魚に負けないぐらいの力があって、先の方は柔らかめ。柔らかいロッドの方がぜんぜん投げやすいですよね。僕も40年以上バスフィッシングをやってて、手首も弱ってきてますが……、未だに投げられるのは、柔らかい竿を使っているからだと思います。

 

──柔らかい、というと、グラスやコンポジットのクランキング専用ロッドもあると思います。そういうのがあった方がいいですか?

グラスの特徴は、やっぱりその柔らかさですよね。その利点はなんなのかっていうと、投げる時以上に、巻いている時です。何かにぶつかったり、バスが掛かったりした時、曲がってくれるんですよね。バイトだったら、魚に違和感を与えない。障害物に当たった時も、深く根掛かりしづらい。

カーボンでそういう性質の竿を作ろうとすると、細くなって折れやすくなってしまうとか、ちょっと足りないことになりやすいです。できなくはないですけどね。

でも、あまりこだわらず、とりあえずなんでも使ってみればいいと思います。それでもうちょっと柔らかい方がイイとか硬い方がイイとか、調整していけばいいと思うんですよ。ほんとうに自分に合うかどうか、しばらく使ってみないとわからないじゃないですか。使い込んでみたら、初めは硬すぎると思ったロッドも、「あ、これ意外にいいな」ってこともあるんじゃないでしょうか。

人それぞれ、筋力も違いますしね。道具によって体が覚えていくのもあるし、体が道具に合わせていくのもあるし、どっちも加味して、自分の愛着のある道具を作り上げていけばいいと思います。はじめはカーボンでいいですね。

 

──リールはいかがでしょう。

今はもうどのメーカーも回転がいいですよね。むかしは7グラムのクランクって飛ばなかったですよ(笑)。そこそこの値段のものなら、かなりいいやつがあると思います。

 

──では大事な、ラインはいかがでしょう。

僕はナイロンが基本です。今の感覚だと太め、14-16ポンドぐらいがいいと思います。多少太いと思ったとしても、もう1メートル飛距離が出た方がいいかっていうとそんなこともないし、何より、根掛かりの回収率が上がりますよね。それが大事です。そういう意味では、最近はPEラインも試しています。切れませんね。

初めはどんなクランクベイトを選ぶか

──では、気になるルアーについて。初めてオカッパリで霞ヶ浦に行く、とした場合、どんなルアーがあるといいでしょうか。当然、一概には言えないと思いますが……。

簡単に言ってしまうと、1メートル潜るものと1.8メートル潜るものがあればなんとかなる、という感じです。1.8メートルあれば、オカッパリの場所はたいていカバーできます。1メートルというのは、ロッドを立てればもうちょっと浅いところも引けるし、ティップを水につっこめばもうちょっと深くもできる。

 

──前回のお話でも強調されていた通り、まずは潜行深度ですね。

そうですね。魚の目の前にルアーを通すことが、魚を釣る一番の近道だと思っています。それにはルアーが今どのへんを泳いでいるのかをしっかり把握するのが大事です。いつも使っているラインで、このぐらいの距離を投げたら何メートル潜る、というのが分かっていれば、釣れたとき、魚がどのくらいの深さに居たかわかりますよね。そんなふうに、魚の状況を把握しつつルアーを選んでいくというのがものすごく大事です。

 

──その、自分のルアーの本当の潜行深度を知るのに、良い方法はありますか? パッケージに書いてある潜行深度が絶対、というわけではないですよね。

霞ヶ浦の岸釣りに限定すれば、護岸に平行に投げるといいですね。それで、まず何メートル飛んだか把握できます。で、巻いてきて、ボトムに当たったとします。そうしたらそこでリーリングをやめて、ルアーを浮き上がらせる。その場所にロッドを突っ込んでみれば、深さがわかりますよね。それが1メートルだとしたら、今の道具と飛距離なら、1メートル以上潜ることがわかる。そんな感じで、簡単に理解していけばいいんじゃないでしょうか。

そうやってよく知っていくことで、ルアーに愛着を持っていく。なんでもそうじゃないですか、異性でも(笑)。

 

──確かに(笑)。クランクベイトのカラーは好きなモノを、というのが前回のお話でした。そのほか、何か要素はありますか?

その先は、いろいろあると思います。色もですが、リップの形とかラインアイの位置とか……。で、僕の場合は、素材が一番気になります。バルサの浮力があるものと、プラスチックの浮力をちょっと殺したもの。この2種類があるといいと思うんですよね。浮力と素材の特性で、動きがずいぶん変わります。

でもまあ、いろいろ追究していくとわからなくなることもあると思うので、初めは自分の基本になるルアーをいくつか手に入れて、いろいろやってみる、ということでいいんじゃないでしょうか。

 

──あえてお聞きしてみますが、これからルアーを買うとしたら、深行潜度は別として、どう選んだらいいですか?

一番は、釣具屋さんに行って、目と目が合ったら買うべきですよ(笑)。例えば有名なプロが、例えばケヴィン・ヴァン=ダムが使っている道具を使ったって、アメリカNo.1にはなれません。手に入れるのはもちろんいいけど、やっぱり修練が重要。そういう意味では、気になるルアーを買ってみて、いろいろ自分なりにやってみればいいんだと思います。

 

実際の吉田さんのタックル。リールは右ハンドル、シングルハンドキャスト

吉田幸二さんのクランクベイトボックスたち。いかにもルアーらしい!

 

後編「釣れるクランクベイト使いになるために 実践編 吉田幸二さんに聞くクランクベイト」に続きます!

 

1951年生まれ。日本のバスフィッシングの創成期から活動するアングラー。数々のトーナメントで活躍したのち、霞ヶ浦のトーナメント団体W.B.S.を立ち上げる。霞ヶ浦を舞台にした「Basser All STAR CLASSIC」では、並み居る日本のスター選手を抑え優勝。霞ヶ浦を知り尽くしたアングラー。

NPO水辺基盤協会 理事長

ブログ:熱血! 幸運児

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