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ベイトリールの「見違える」メンテナンスをカケヅカさんに聞く

編集部より

ベイトリール、メンテもせずに使い続けていませんか?:-)

リールは機械。完全にメンテナンスフリーというわけにはいきません。キャストフィールの向上はもちろん、「一投一投に魂をこめる」ためにも、道具のコンディションには気を使いたいですよね。というわけで、カケヅカさんの「カスタムパーツ屋目線」のメンテナンス法をお届けします。

第1回記事:レンタルボート&エレキスタイルで楽しむバス釣りに最適なリールセレクトとは?
第2回記事:お安めベイトリールのベイトフィネス化と使い方・出しどころ
第3回記事:バスフィッシングのベイトリールのハンドルは左右どちらが正義なのか?を改めて考える
第4回記事:カスタムしたリールは純正を超えるのか?「カスタムパーツ屋」の視点で考えるリールカスタム
第5回記事:クランクベイトを巻くのに最適なリールをカスタムパーツ屋目線で選んでみる

こんにちはカケヅカです。今回は自分が良くやる、ベイトリールのスプール回転を蘇らせる簡単セルフメンテナンスをご紹介したいと思います。

まずリールのメンテナンスには大きく二通りありまして、ハンドルの巻心地を良くするためのメンテナンス(チューニング)と、スプールの回転を良くするためのメンテナンスです。

どちらもリールを使用する上で重要なメンテナンスですが、前者は作業が非常に難しく、しかも使用感は人によって様々なので、完全にプロの領域。

でも後者のスプール回転に関しては、何年も酷使したリールを誰にでも簡単に見違えるように復活させる事ができます。

自分のリールを普段からこまめにメンテナンスしてる人のリールは、本当に良い状態を保ってるのでキャストフィールが気持ち良いんですよね。

これまで自分のリールをほとんどメンテナンスした事が無い方、または何となくオイルを差したりしてるけど効果を体感できずにいるという方は、ぜひトライしてみてください。

オイルのちゃんぽんはやめよう

セルフメンテナンスの前にちょっとした豆知識として覚えておいて欲しい事。純正にしても社外品にしても、オイルなどのケミカルをちゃんぽんしない方が良いです。

ちゃんぽんと言うのは色んなお酒を混ぜて飲む行為の事ですが、オイルでも色んなメーカーのものを混ぜて使わない方が良いんです。

そして純正にしても社外品にしても、古いオイルと新しいオイルは混ぜない方が良いです。古いオイルとは、ノーメンテナンスでしばらく使い続けたリールの状態です。

新品で買ったリールも使い続けているうちにオイルが劣化したり、微細な摩耗により不純物が入り込んだりしてオイル本来の性能が落ちてくるんですよね。

特に半年一年使いっぱなしのリールで、なにもせずベアリングにそのままオイルを垂らしても本来の効果は発揮されないと思います。

オイルを全く差さずに使い続けるよりはマシかもしれませんが、できればベアリングは洗浄して、きちんと乾燥させた上で新しいオイルを差してやる方が良いです。

でもセルフメンテンス初心者の場合、ベアリングを洗浄するのは中々ハードルが高いと感じるかもしれませんね。

それをこの後説明したいと思います。

スプール軸を受ける2つのベアリングを外して洗浄

ベイトリールのスプール回転に関わるベアリングは2つ。一つはスプールそのものにセットされているベアリング。もう一つはサイドカップにセットされているベアリングです。

機種によってはスプールにベアリングがセットされてない場合がありますが、その時はメカニカルブレーキキャップを外すと見えるはずです(SHIMANO13メタニウムなど)。

そのタイプはスプールにセットされているベアリングより外すのが簡単なのでご安心を。

ベイトリールはキャスト時にスプールがフリーになる時、この2つのベアリングのみで支える構造なので、スプール回転に直結してます。

なのでこの2つのベアリングを本来の性能に戻してやる事で、新品時のフィーリングが蘇るという訳です。

作業手順としては、一旦ベアリングを外し洗浄しますが、初心者の方が一番心配なのがベアリングの外し方ではないでしょうか。

でもご安心を。

これから誰にでも簡単に外せる方法を解説します。

スプールベアリングリムーバーType-Rを使ってスプールベアリングを外す方法

ちょっと宣伝になってしまうのですが、スプールにセットされたベアリングを外すには必ず専用工具が必要になります。

現在いくつか専用工具が市場にありますが、自分がデザインしたスプールベアリングリムーバーType-RというのがHEDGEHOG STUDIOからリリースされてまして。

それを使ってもらうと簡単にスプールからベアリングを外す事ができます。

ただ、この工具は買うと税込み4000円以上するので、そのためだけに買うのは躊躇するかもしれませんね。

でもHEDGEHOG STUDIOではレンタルも行っていて、旧タイプなら一週間300円(返却送料込)で借りる事ができます。

年に数回のメンテナンスなら、レンタルするというのも良いのではないでしょうか。

さて、前置きがはこのぐらいで、スプールベアリングを外す方法をご紹介します。

 
 
 
 
 
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サイドカップのベアリングを外す

続いてサイドカップのベアリングを外しますが、こちらは簡単です。ただ、作業中に外したスプリングを飛ばして紛失してしまう事がよくあります。

下手をするとそのまま失くしてしまう事もありますので、とにかく飛ばさないようにする事が一番気を使う部分かと。

自分のブログの過去記事にも書いてますが、大きめのビニール袋を用意してもらって、その中にリールごとスッポリ入れてしまって作業するのが安全だと思います。

慣れれば無くても良いですが、初心者のうちはこの方が安心ではないでしょうか。

もし最悪スプリングを飛ばして紛失してしまっても、HEDGEHOG STUDIOで互換品が数百円で購入できます。もちろん純正品を釣具屋さんなどで注文しても良いでしょうし。

まあ失くさないのが一番良いので、そこは慎重に作業しましょう。

作業自体は簡単で、先の細い針状のもので五角形のスプリングを外すだけ。

スプリングを外したら、サイドカップを逆さにして手でポンポンと叩いてやると外れます。

中にはベアリングにゴムリングが装着されていて、サイドカップの中で固定されてるタイプがありますが、この場合はカギ状の針金などで中から引っ張り出してやる必要があります。

また宣伝で申し訳ないのですが、HEDGEHOG STUDIOから『ハンドルノブキャップリムーバー』というツールが出てますので、これを使えば作業効率が格段に上がるので、セルフメンテナンスをする時は一本持ってると便利です。

ちなみにこのツールもKDWが製造してます。

外したベアリングを洗浄する

無事にベアリングを外したら、次はそのベアリングを洗浄します。

ここではホームセンターなどで売っているパーツクリーナーを使う方法をご紹介。

適当な容器にパーツクリーナーを吹いて洗浄液を作ります。作ると言っても、スプレーを一箇所で吹くだけ。

揮発性が高いので、なるべく背の高い容器に吹く方が良いです。自分は100円ショップで売っているパスタ入れで作業してます。

100均のパスタ入れを洗浄用具に使う

あとは洗浄液の中でベアリングを洗うだけ。容器にベアリングを入れて、洗浄液ごと軽く振ってやり、あとは数分~数十分放置しておけばOKです。

洗浄後は重ねたティッシュの上に置いて、完全乾燥させます。揮発性が高いので放置してれば自然と乾きますが、ドライヤーなどで軽く熱を加えると早いです。

この時気を付ける事は、オイルレス状態でベアリングを回さない事。無駄に摩耗してベアリングを痛めてしまいます。オイルを差すまで我慢しましょう。

ちなみに裏技ですが、オイルレス状態のベアリングはメチャメチャ回転が良いです。そのままセットしてもらうと最初はスプール回転が凄いです。

でもベアリングの寿命が著しく短くなるので、自分は絶対やりません。トーナメントなどの一発勝負でどうしても軽いルアーを投げたい時は、ベアリングをダメにする覚悟でやってみるのもアリかもしれないですね。

ベアリングにオイルを極少量垂らす

洗浄して乾燥させたら、いよいよオイルを差します。

オイルはお好きなものを使ってください。最初はメーカー純正でも全然良いと思います。

もしも買ってから一度もメンテナンスをしないまま、半年~1年以上使ったリールなら、ベアリングを洗浄して新しいオイルを差してやるだけで見違えるように回ると思いますよ。

注意点としては、オイルを垂らし過ぎない事。一滴でも多いぐらいです。

オイルを差した後に軽く手でベアリングを回してオイルを馴染ませたら、余分なオイルはティッシュなどで拭き取ってやります。

オイルの付けすぎは抵抗になって、逆にスプールの回転が悪くなりますし、微細なホコリなどを巻き込みやすくなります。

オイルは極少量が一番スプールの性能を発揮させると思って間違いないです。

少量なほど良い分オイル切れも早いですが、それでも週に1~2回の釣行で数ヶ月は快適な状態を保てるでしょう。

ちなみに社外品の価格が高いオイルは、滑らかなだけでなく、良い状態が凄く長く保てます。やはり高いには高い理由があるんですよね。

ベアリングをセットして馴染ませる

余分なオイルを拭き取ったところで、ベアリングをセットし直します。

スプールにセットする時は、リムーバーを使って外した時と逆の手順で作業します。

この時の注意点としては、スプールシャフトから外したピンを同じ方向から挿れてやる事。逆から挿すとちゃんと入らないので、その時は反対方向から挿してやってください。

あとはピンが中心にいくまでリムーバーのハンドルを回して押し込んでいくだけ。

サイドカップのベアリングは、挿れた後にスプリングで固定しますが、この時もスプリングを紛失してしまう恐れがあります。

やはり慣れないうちは大きめのビニール袋の中で作業する事をオススメします。

2つのベアリングをセットしたら、クラッチを切ってスプールをフリーにして、指でクルクル回してベアリングにオイルを馴染ませてください。

これで作業終了です。

さいごに

KDW製品の無料プレゼント企画でおこなっている500~600人ほどの独自アンケートの結果ですが、全体の7割ぐらいの人が自分のリールをセルフメンテナンスした事が無いそうです。

でもそのほぼ全員がセルフメンテナンスには興味があると答えてるんですよね。

そしてメンテナンスの一番不安な要素はリールの分解という事なので、その部分を解消できればもっと自分のリールをメンテナンスする人は増えると思ってます。

その事もあり今回の記事を書いてみました。

愛機のスプール回転が蘇ってキャストフィールが良くなりますように。

<シリーズ記事>

第1回記事:レンタルボート&エレキスタイルで楽しむバス釣りに最適なリールセレクトとは?
第2回記事:お安めベイトリールのベイトフィネス化と使い方・出しどころ
第3回記事:バスフィッシングのベイトリールのハンドルは左右どちらが正義なのか?を改めて考える
第4回記事:カスタムしたリールは純正を超えるのか?「カスタムパーツ屋」の視点で考えるリールカスタム
第5回記事:クランクベイトを巻くのに最適なリールをカスタムパーツ屋目線で選んでみる

東京足立区で主にルアーフィッシング用リールのカスタムパーツを製造してる50歳のオッサンです。関東のレンタルボートフィールドでバス釣りを楽しみながら、NBC房総チャプターを始め各ローカルトーナメントにも参戦しています。 バス釣りのモノ作りで人生を楽しく生きるブログ KAKEDZUKA DESIGN WORKS

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