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霞ヶ浦の湖岸を歩いて探す春〜日々悠々 吉田幸二さん流湖畔生活 連載第7回

編集部より

釣りは、サイエンスの世界で言うところフィールドワーク。

……編集部員が常々思っていることです。魚のことはもちろん、水、水草、天気、陸上の草木、鳥……と、環境を感じて、知ることで、魚を釣ることに近づいていく。時には遠回りに感じてしまうこともありますが、魚釣りを理解しようとすると、いずれそうしたモノゴトにも興味が湧くのではないでしょうか。最新のルアーやメソッド、魚探ももちろん大事ですが、環境を知ることも、魚を釣るための重要なアプローチ。そう考えています。

吉田幸二さん連載、前回に引き続き、春の水辺を見るためのヒント編です。

<これまでの連載はこちらから>
第1回:霞ヶ浦ってどんなとこ?基礎から知って釣りにつなげるための吉田幸二さん新連載!
第2回:吉田幸二流 霞ヶ浦のバスフィッシングと、それを支える「考え方」
第3回:霞ヶ浦にはどんなベイトフィッシュがいるのか? バスアングラー的霞ヶ浦魚種考
第4回:霞ヶ浦の魚 アメリカナマズ・チャネルキャットフィッシュのこと
第5回:吉田幸二流・僕のクランクベイト理論|霞ヶ浦マスターはクランクベイトをどう考えるか?

第6回:僕的湖畔生活〜吉田幸二さん流・霞ヶ浦の知り方・関わり方

春ですね。
コロナ禍でいつもの春とは異なった春です。
でも、自然環境には大きな変化はありません。いつも通り静かに流れて行くだけです。

コロナウィルス禍で、ストレスが溜まっている人が多いんでしょうね。
車の運転の荒い人が多くなりました。危ない! なんてぇこともしばしばありますね。いやはや困ったもんです。

かく言う私めもストレスが溜まっております。何事も思い通りにならないからですね。
確かに、総てが思い通りになるなんてぇことは決してありませんが、概ね・・・てぇぐらいは思い通りになって欲しいなぁ・・・。などと妄想しております。
思い通りにならないことが多いので、ストレスが溜まります。


ストレスが溜まるから酒を飲みます。いや、以前に比べると少ないもんですよ。
日にウィスキーとか焼酎とかの蒸留酒をロックグラスにWで飲むぐらいですから。

で、酒を飲むから夜更かしをしちゃいますね。夜更かしをするから昼間眠くなるんですな。
昼間眠くなるから老けていきますよね。そう、確実にジジイに近づいているちゅうわけです。

70歳かぁ~。
世の中にはもっと年配の皆さんが、粉骨砕身で頑張っているちゅうのに弱音を吐くな・・・俺!
と、自らを叱咤激励しておりますが・・・。

思い通りにならない一つに、体力の低下がありますね。
それは霞ヶ浦の堤防から湖岸に降り立つ行動で、いとも簡単に把握できます。
この地に越してきた頃、そうまだ40代の頃は、霞ヶ浦に向かって真正面から駆け降りて行けたのですが、今ではカニ歩き、それもヨタヨタじゃないと降りることができません。

ジムに通って鍛えればいいのだけれど、年齢を重ねる度に忙しくなるので、時間の遣り繰りがままならないんですね。頻繁にジムに通っていたのは50代前半でしたねぇ。
そう、丁度NPOを立ち上げた頃でしたよ。

動きもモサクなりましたね。
でも、その甲斐あって足下をよく見るようになりました。で、小さな発見をするんですね。
それまで気にも留めなかった植物が気になったり、珍しい昆虫を見つけたり、


これはナガミヒナゲシという外来植物です。ポピーに似ていますよね。だって、ポピーですから!
そうケシの仲間なんですね。そう、アヘンを作るケシですね。

ところが、このケシは成分が足りなくてアヘンは作れません。
でも、アルカロイドの一種が含まれているので、茎や実に切れ目を入れると白い乳液が出て手がかぶれる恐れがあります。どうぞご注意を!

かぶれると言えば、在来植物のノウルシもかぶれますね。でも、これは準絶滅危惧種で貴重な植物であるらしいですね。


ノウルシは春の早い時期から花を咲かせます。
他の植物が赤茶色に枯れている時期に蛍光緑の葉に黄色い花が咲くので、咲いている部分だけパッと明るい感じになります。

一昨年はその前の年の台風でヨシが軒並み薙ぎ倒されたので、南岸のあちこちで花を咲かせていましたね。
これが本当に絶滅危惧種か? と思えるほどあちこちで咲いていました。

在来植物と言えばこれも水辺の植物の代表格ですね。
幾つかの種類がありますが、どれも分けずにノイバラと呼んでいます。


釣り人にとってはその棘の為にとても厄介な植物です。
でも、水中の魚たちにとっては天敵から身を守るための遮蔽物として、安心で安全な隠れ家になっていますね。

さて、一方こちらはカラスノエンドウという植物で、そら豆の仲間ですが食用としてはその小ささの為に利用されていません。が、これらの雑草が生えることで、土を守り、虫を育て、土壌を育てています。


僕たちが維持管理している植生浄化施設の導水路の際にも、沢山咲き始めました。
これはヨシを刈ることによって、それまでヨシに覆われていてために、土中で眠っていた植物を目覚めさせたのです。
このように、人間が携わって作り上げたものは、人間が延々と携わり続けないと守っては行けないのです。

そんなことを思いながら今世界中で叫ばれているSDGsを考えています。
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)

僕たちが続けているゴミ拾いや霞ヶ浦の生き物を守る活動は、間違いなくSDGsです。
続けていかないと命は育たないし、水質浄化も出来ないからです。
そんなことを思いながら足もとを見て歩いていると、背を伸ばした先に黄色い花を艶やかに咲かせている植物を見つけました。


コンクリート製の導水路の中に根を張って、正々堂々と咲いています。見事ですよね。
でも、この植物も侵略的外来植物として忌み嫌われているのです。本当に残念だと思います。
この植物も導水路内の命を育んでいると僕は考えるからです。


また、導水路から染み出す水によって成長する植物もあります。
スズランのような花を咲かせるのでこの名がついたのが、スズランスイセンです。
葉がニラに似ているので食べてしまうことがあるそうですが、食中毒を起こします。なんたってヒガンバナ科ですからね。

これも、外来種ですがスノーフレークという英名の通り、花が美しいので重宝されています。
不思議な国ですね・・・日本は!

で、在来種、外来種という分け隔てや、外来種の撲滅などと言う不毛な話はもう止めましょうよ。
共存し合って生きて行く・・・そんな方策を見つけることが大事だと思います。
ジジイは暇なのでそんなことばかりを夢想しているんですよ。

のんびりゆっくりと歩く。
これが物事を広範囲に、穏やかに見る秘訣(コツ)です。
それは、魚釣りにも生きて来ますよ・・・いつかきっと!

<シリーズ記事>
第1回:霞ヶ浦ってどんなとこ?基礎から知って釣りにつなげるための吉田幸二さん新連載!
第2回:吉田幸二流 霞ヶ浦のバスフィッシングと、それを支える「考え方」
第3回:霞ヶ浦にはどんなベイトフィッシュがいるのか? バスアングラー的霞ヶ浦魚種考
第4回:霞ヶ浦の魚 アメリカナマズ・チャネルキャットフィッシュのこと
第5回:吉田幸二流・僕のクランクベイト理論|霞ヶ浦マスターはクランクベイトをどう考えるか?
番外編:クランクベイト入門・実践編 ロッドは?おすすめのルアーは?吉田幸二さんに聞くクランクベイト・前編
番外編:釣れるクランクベイト使いになるために 実践編 吉田幸二さんに聞くクランクベイト・後編

第6回:僕的湖畔生活〜吉田幸二さん流・霞ヶ浦の知り方・関わり方

1951年生まれ。日本のバスフィッシングの創成期から活動するアングラー。数々のトーナメントで活躍したのち、霞ヶ浦のトーナメント団体W.B.S.を立ち上げる。霞ヶ浦を舞台にした「Basser All STAR CLASSIC」では、並み居る日本のスター選手を抑え優勝。霞ヶ浦を知り尽くしたアングラー。

NPO水辺基盤協会 理事長

ブログ:熱血! 幸運児

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