
【Kickstarter全訳】smartLure Model Zero – ビッグデータで“釣りの秘密”を解き明かす世界初のIoTルアー
2021/05/12
編集部
#Model Zero #smartLure #スマートルアー #センサー #ブラックバス #ルアー
2022/01/17 スマートルアー「Model Zero」の開発中止と返金のお知らせ
<編集部より>
どうやら……このサイトの運営会社である株式会社スマートルアーが、ついに広く世の中に向けて、「プロダクト」をリリースするようです 🙂
まずはKickstarterから。その日本語版をスマルア技研でもお届けしてしまいます。
クラウドファンディングで予約購入する
※2021/05/18追記:編集部員がsmartLure Model Zeroの「実釣性能」について聞いてきました。
⇒ルアースマートルアー Model Zeroは釣れるのか? 開発者に聞いたルアーとしてのパフォーマンス
※2021/05/20追記:さらに、「IoT」機能についての解説を依頼しました。
⇒【Kickstarter】「スマートルアー」は役に立つのか? 深掘りで見えてきたデータ×ルアーの真の狙い
※2021/05/21追記:ルアーとしての監修を引き受けてくれた伝説のビルダーのコメントです。
⇒【Kickstarter】ATTIC・高洲 敏春さんModel Zeroコメント
魚が食いつくまでのルアーの動きや水中環境を知りたい釣り人のために
― 魚がバイトした瞬間、ルアーはどれくらいの水深で、どんな動きをしていたのか?
― 魚は、どんな水温、明るさの場所にいたのか?
株式会社スマートルアーが開発しているModel Zeroは、その問いに答えるためのルアーです。
石器時代以来、釣り人は観察と感覚に基づいて魚を知ろうとしてきました。 より良い釣果を上げるためだけでなく、魚の性質を知り、新たに得た知恵を手がかりに釣りというパズルを解いていく楽しみが、釣りの楽しみの核心にあるからだ、と私たちは考えています。
スマートルアーは、データを分析することで魚を深く知るための手がかりを提供します。科学的な分析に耐える水準でデータ化し、グローバルに収集。魚種や水中環境、ルアーの種類や色、アクションごとに整理、分析し、いつ、どのように釣りをすると釣果を上げやすいのかといった情報を釣り人に提示することを目指しています。

Model Zero(Silver Shad、シルバーシャッド)

Model Zero(Red Gold、アカキン)

Model Zero(Japanese Ayu、アユ)
7世代のセンサーモジュールを開発

Model Zeroの内部構造
スマートルアーは、着水した瞬間から離水するまで、センシングを続けます。
これまでのルアーと同じようにキャストするだけで、ルアーが描いた水深トレースや微妙なアクション、魚の活動を左右する水温や水中の明るさを把握できます。
センサーモジュールの要求仕様は釣り人にとっての理想は何か、を自分たちの体験に基づいて洗い出し、決めてきました。
- 釣りに集中している釣り人の行動、思考を妨げないよう簡単に取り扱えること
- ルアーの動きを妨げないほどに、小さく、軽いこと
- 釣り場での厳しい使用条件や、ランカーとのファイトにも耐えられるくらい、頑丈なこと。
- 様々なルアーに搭載できるように、モジュール化されていること。
- なにより、釣り人の問いに答えるため、高精細で正確な測定ができること。
常識外れな要求を実現するため、4年を費やしました。Model Zeroに組み込むセンサーモジュールは、7世代目にあたります。この商品試作機は、世界トップレベルの電子機器メーカー(秘密保持契約のため企業名は非公開)のサポートを受けて開発しました。量産についても、この電子機器メーカーと協議する予定です。

Model Zeroに搭載するセンサーモジュールの最新版の試作品(手前)。後方に写っているのは、これまでの実験に使ってきた試作品
“魚目線のデータ”と、キャストした場所や写真、天気、月齢を統合するアプリ

アプリのイメージ
ユーザにとって価値ある体験を作るのが、スマホアプリ、バックエンドのデータベース、分析システムです。
現在想定しているアプリの機能は、次のようなものです。
- センサーで取得したルアーの動きを、ビジュアルに表示する
- キャストした場所を地図上に表示する
- 気象条件、月齢のほか、季節、時間帯など、これまで釣り人が釣りの作戦を立てる上で手がかりにしてきた情報と、水中情報を統合して表示する
- 魚や気になった地形、ベイトなど、釣場で撮影した写真と、これらの情報を整理して表示する
いわば、魚目線のデータと、釣り人がこれまで大切にしてきた情報とを、統合し、整理するアプリになるとスマートルアー社では考えています。
2019年からは、センサーモジュールを搭載したModel Zeroでラージマウスバスやバラマンディを釣り上げたデータを取得しています。ルアーに魚が接近し、バイトし、フックするまでのプロセスが理解できる内容です。

ルアーをただ巻きしている最中に、魚が突然バイトしてきたデータの事例(企業秘密保持のため、グラフは画像加工してあります)
現在開発中のアプリに最初に実装したのは、圧力センサーのデータを元にルアーの水深トレースを表示する機能です。
スマートルアーのエンジニアは、全員、熱心な釣り人です。
Model Zeroの出荷に向けて、さらに”釣りの秘密を解き明かす”ための開発を進めていきます。
40年のキャリアを持つルアー職人がサポート
センサーをルアーに搭載するのは、大きなチャレンジです。ルアーデザイナーから見れば、センサーはデッドウェイトにすぎません。そのため、ルアーの作り手を探すのは、困難を究めました。
何人もの作り手と数か月かけて話し、進展がない日々が続く中で、「もしかしたら、なにか面白いことになるかもしれない。やってみよう」と答えてくれたのはオリジナルルアーのハンドメイドを40年以上作り続けているルアー工房・ATTIC(大阪)代表の高洲敏春でした。
高洲は、スマートルアーのプロダクトデザイナーが作ったモックアップを、実際のルアーに仕上げていくための監修を担当してきました。Model Zeroのルアーボディも一つ一つハンドメイドされる予定で、今後の生産に向けた準備を進めています。
スマートルアーの使い方
釣りをはじめる前に家で準備しよう
1 ルアーを充電しましょう。
2 スマートフォンにアプリをインストールしましょう。
スマートルアーで釣りを始めよう
1 ルアーの電源をONにします。
2 いつもどおりにキャストします。
3 水中にもぐっている間、ルアーは水温・照度・軌跡・アクションのデータを取得し続けます。
4 電源がONの間は連続してキャストOK!
5 水中から出てしばらく経過するとルアーは省電力モードになります。
休憩のタイミングでデータを確認しましょう。
1 ルアーの電源をONにします。
2 アプリを起動します。
3 アプリとルアーをBluetoothで接続します。
4 接続に成功するとデータを自動で取り込みます。
5 釣りデータをアプリでふりかえりながら新たな釣りのヒントを探りましょう。
Model Zeroの予約を今すぐ済ませたほうが良い3つの理由
- Model Zeroは、ハンドメイドルアーであり、月間生産量に上限があります。追加生産には、数か月を要する可能性があります。そのため、最も早く手に入れる方法は、このキャンペーンで予約することです。
- Model Zeroを使い続けることで、今、立っている釣場の水中環境が、過去のシーズンとどのように異なるのかを知ることができる、と私たちは考えています。これは、わたしたちが集めるビッグデータの利用方法のうち、もっとも単純なものです。他の釣り人より早く使い始めることで、より優れた状況把握が可能となります。
- Model Zeroやスマートルアーのアプリは、開発途上です。そのため、フィールドで多くのユーザテストを行わかなければならないと私たちは考えています。そして、このキャンペーンのバッカーは、テスト対象者として最初にアプローチする対象となるかもしれません。みなさんが、世界初のIoTルアーを、最初に使用する釣り人になる可能性があることを意味します。
主な仕様
- ルアーボディの素材
- 硬質ウレタン
- 最大潜行深度
- 約2m
- 最大外形寸法
- 長さ:130mm(ボディー部、テイルを含め172mm)、幅:22mm、高さ:38mm
- 質量
- 約55g
- 対応OS
- Android8以上/iOS13以上
- 通信方式
- Bluetooth 5.0 Low Energy
- 内蔵電池
- 充電式リチウムイオン電池
- 搭載センサー
- 水検知センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、圧力センサー、照度センサー、水温センサー
- 表示部
- LED(赤・緑)
- 充電方法
- 専用充電用クレードル (充電用ケーブル(USB Type-C ⇔ USB Standard A)使用)
- 連続計測時間
- 最大約5時間
- 充電時間
- 約1時間
- 測定可能な水深
- 最大約10m(海水での使用も可能です)
- 防水性能
- 5気圧(予定)
- 使用温度範囲
- 0〜45℃
- 通信距離
- 約10m(最大)*水中での通信はできません。
*上記の仕様は、商品試作段階(2021年2月時点)での想定です。実際の出荷品では異なる可能性があります。
タイムライン
2021年
3月
Model Zeroの商品試作機(EVT=Engineer Verification Test)30台を使ったフィールドテストを開始
4月
kickstarterキャンペーン開始
5月
ODM契約に向けた資金調達を実施
6月
量産を行う工場を決定、ODM契約を締結
12月
量産開始
2022年
1月
Model Zeroの組み立て開始
2月
kickstarterバッカ―向け出荷
(Covid-19の世界的流行に伴い、日本国外への配送は数か月遅れる可能性があります。2020年に、日本郵便は米国向けEMSなどの引き受けを停止しました。2021年4月時点で、船便での配送を想定しており、その場合には米国内の配送先に到着するまで2か月余分にかかります)
北海道でトラウト釣りをしている。 4か月間、まったく釣れない経験をきっかけに、スマートルアーを創業。
大学で生物学を学んだ後、新聞記者として働いていた。MBA(グロービス経営大学院)。
「魚はどのように世界を見ているのだろう、釣りを科学的に捉えたら、どのようなことがわかるのだろう、という疑問が出発点でした。これまでに”センサーを搭載している”と謳うルアーがいくつか存在していましたが、残念なことに、釣り人の実用に堪えるものではありませんでした。私たちが知りうる限り、スマートルアーは水中の支配者の目線で釣りの秘密を解き明かすことができる人類史上初めての実用的なルアーです。」
データ分析担当。 カリフォルニアでバス釣りをしている。 大学院で数学を修了。ポケットベルの設計からキャリアをスタートさせ、現在はエンジニアマネージャー。 釣りのうまさはチームでトップレベル。
ハードウェア、アプリ、サーバシステムの幅広い経験をもつチーフエンジニア。 北海道でロックフィッシュを釣っている。 大学院で情報科学を修了。
★の数は、釣りのスキルを表す。★3つが最高点。
<更新記録>
・2021年4月28日JST
ファンディングゴール25%に到達
・2021年4月29日JST
KickstarterのProject We Love認定に伴いロゴを挿入
販売計画の不整合が判明したためリワード数量を調整
「予約を今すぐ済ませたほうが良い3つの理由」を追記
リスクと課題
【量産契約】量産のためのODM契約には、kickstarterでのプレッジで集めた資金とは別に、数千万円の資金調達が必要です。資金調達が進まない場合、ODM契約を締結できない可能性があります。その場合、出荷が数か月単位で遅延する可能性があります。
【部材調達】2021年3月の時点で、世界的な半導体部品の供給不足が発生しています。出荷スケジュールは、電子機器メーカーの実績に基づいて計画したものですが、十分に部品を確保できない場合、半年程度の出荷遅れが発生する可能性があります。
【商品テスト】2021年1月の時点で、本kickstarterキャンペーンで示しているサービスを十分に実現できる水準の商品試作機30台が完成しテストを進めています。現時点では想定していない新たな課題が判明し、開発が遅延する可能性があります。
環境問題への取り組み
持続可能な材料
スマートルアーのセンサーモジュールは、優れた環境性能のためにRoHS指令に準拠した物になる予定です。
持続的な流通
スマートルアーのすべての製品は、オンラインで販売される予定です。そのため店頭で陳列することを前提とした、プラスチックを多用したパッケージは使用しません。
そのほか
釣りは、自然環境に基づいた営みです。
私たちは、スマートルアーを通じて得られる知見を水圏環境の保全に活用することにコミットします。
最新情報をチェック
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